千葉県立君津高等学校 同窓会

43期生の卒業に寄せて

                                                            同窓会会長 地曳昭裕

 君津高校第43期生の皆さん、卒業おめでとうございます。1万5千有余の同窓生を代表し、心よりお祝いを申し上げます。
 皆さんは、等しく18歳を迎えたわけですが、世間で喧伝されている18歳選挙権が注目されています。今夏予定されている参議院選挙を皮切りに、袖ヶ浦は秋に市議選が控えています。選挙の意義、政治に関心をもつことの必要性等は、総務大臣にその広報はお任せし、今回皆さんには、健全な消費者、真っ当な消費者、誠実な消費者、消費者運動的には、エシカル・コンシューマー( ethical consumer ) 倫理的、道徳的消費者になって貰いたいと思い、以下お話を進めます。
 なぜ、皆さんにこの様なことをお願いするかといいますと、私は、第1次産業に従事していますので、必然的に食品業界との関わりがあります。その食品業界の中で、年率10%余りの伸びを見せている分野があります。それは惣菜です。スーパーやコンビニでは惣菜を扱うことでその売上を伸ばし、今注目の分野です。機会があり、惣菜会社の代表者のお話を聞きました。曰く、1ヶ月に90回の食事回数があり、現状は、惣菜の出番は10数回位ですが、女性の社会進出、老齢化家庭の増加、若者の未婚化等の社会情勢の変化、食費を安く抑えたいという消費者心理を加味し、将来的には60回位に出番を増やしたいというものでした。
 私は、この話を聞き、愕然としました。今でさえ、生産の現場と食卓との乖離が問題になってきているのに、1日のうち2回の食事が惣菜となれば、将来の食卓はどうなるのだろうという大いなる危惧を感じました。
 私達人間を含む動物は、植物と異なり、エネルギー源を体外より摂取しなければなりません。食は、私達の命の源です。そして食品業界は、(他の業界は知りませんが)消費者がイニシアティブを持てる業界です。300円弁当も、100円台のハンバーガーも、メーカーが消費者に阿り低価格を実現しています。食品添加物、輸入食品、遺伝子操作で作出された食品素材等々、安い食品には理由があります。一方、食品を選択することにより、安全、安心な暮らしを担保することが出来ると共に、持続可能で健全な社会を実現することも出来ます。
 選択するには、判断に足る情報が容易く入手できることが前提ですが、現代の日本は、残念ながら、新聞、テレビ等大手マスコミは、私の想うところ、3割程度の事実しか伝えていません。情報が大いに不足しています。
 この様な状況下、皆さんがより良き食品を選択するには、結局のところ、自分の感性を信じ食と向き合うしかないのです。故に、健全な、真っ当な、誠実な、倫理的な消費者になるには、感性を磨くしかないのです。そして、それは人類がこの世に生まれて以来連綿と続けられてきた食への執念です。

 43期生の皆さんの奮闘努力を期待して挨拶とします。

                                             (第43回卒業証書授与式 祝辞より)

2016 年 3 月 27 日   

第43期生同窓会入会式が行われました。

3月7日(月)に第43期生の同窓会入会式が行われ、278名(男子148名、女子130名)が新たに会員となりました。

2016 年 3 月 7 日   
 
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